漁港の食堂のお醤油が独特だったので富山のお醤油に興味がわきました。
生産者から直接購入できるところを探してみると、
工場見学ができるお醤油屋さんを発見。早速行ってみることにしました。
畑醸造株式会社
住所 〒932-0122 富山県小矢部市浅地800
電話 0766-61-2111
営業時間 9:00~16:00
休業日 年末年始
駐車場 あり
県道沿いの田んぼの中に背の高い蔵と直売所「宗珍」があります。
畑醸造と書いていないので一瞬、間違えた?と思ってしまいました。
外では地元のお野菜を販売していて、
お店の中ではお醤油をはじめ漬物や特産品などが購入できます。
突然訪ねたにも関わらず、工場見学させていただくことができました。
社長さんらしき方に案内していただきました。おそらく3代目?
直売所からすぐ隣が工場になっていて中に入るとお醤油のいい香り。
通路に生産工程のパネルが展示されています。
富山のお醤油は混合醤油といって甘めの味付けがされたものが主流。
海側では漁師さんが船の上で潮風に吹かれて甘いものが欲しくなるのと
すぐに調理できるように甘めの味付けがされているそうです。
逆に山側では山の作業で汗をかいて塩辛いものが欲しくなるので
塩分が強目だそうです。
こちらの畑醸造さんは山側のお醤油なので辛めになります。
使用している原料は小麦、大豆、塩のみ。
大豆は地元富山産、小麦は北海道産、塩は沖縄産ですべて国産。
水がきれいな1~3月の期間にだけ仕込むというこだわりです。
- 製麹(せいきく)
蒸した大豆をと炒った小麦を混ぜ合わせ麹菌をつけたものを
麹蓋という木の箱に入れます。
麹蓋はもう作っているところが無いそうです。
麹室(こうじむろ)という部屋に三日間入れ
温度調整をしながら麹を培養します。
このように麹蓋で作っているところは全国でもほとんどないそうです。麹室に入ると少しひやっとして涼しい。
レンガ造りになっていて温度を一定に保っているそうです。
基本的には30度のため、この日は外より気温が低く涼しく感じたようです。 仕込みの際には温度を微調整するため、
2時間おきに天窓を開け閉めして管理しているそうです。
- 仕込み
麹室から取り出した麹に塩を混ぜ合わせます。これがもろみ。
もろみ蔵に入れ発酵させます。
蔵には菌が住み着いて独自の味を作り出しているそうです。
もろみは3年間天然熟成されます。
一般的な工場で作られるお醤油は化学的に発酵させるため
6ヶ月で絞ってしまうそうです。 - 圧搾
3年経ったらやっと絞りを経てお醤油になります。
もろみを布の袋に入れて重ねます。
1週間かけて自重で自然に滴ってくるのを待つそうです。
これをろ過して瓶詰めするとできあがり!
お醤油やお味噌は発酵食品で乳酸菌が豊富。
これらを食べていれば菌を摂取できたので
今のようにヨーグルトなどを食べる必要はなかったそうです。
熟成させずに科学的に味をつけた醤油が出回るようになって
菌を摂取することができなくなってしまいました。
最近になってアトピーやアレルギーの問題から
昔ながらの製法で作られたお醤油が見直されてきているそうですよ。
何気なく立ち寄った私たちにものすごく熱心に説明していただいて
少し申し訳なく思ってしまうくらいでした。
実際に蔵に入って温度や香りを感じることで
手間がかかって簡単には作れないことが実感でき、
作ってくださる方がいることをとてもありがたく感じました。
直売所に戻ってお土産を購入。
極寒仕込み「北陸」
濃いめなのでお刺身を食べるときはほんのちょっとのせるくらいで
いいそうです。
開けてみると生っぽい香りで
とろっとしていて舐めてみるとしょっぱい!
お豆腐にかけてみるとあら不思議。
しょっぱさは消えて、濃い出汁のような深みのある味がします。
なっとうにイイ醤(じゃん)
納豆専用のおもしろ醤油。
だし入りの味付き醤油でそれほど濃くないです。
顔はシールで、一つ一つ手貼りされているそうですよ。
醤油飴
「忍耐」と書いてありますが一体どういう意味??
懐かしい味がします。お醤油の香りが香ばしくて食べだしたら止まらない〜。
お醤油でこれほど楽しめるとは思いませんでした。
地方のお醤油めぐりをしようかな。
【参考サイト】
畑醸造(富山県小矢部市) – 職人醤油
http://www.s-shoyu.com/hata/index.html
公式サイトがこちら。
畑醸造へ行ってきました。|とやまの定住コンシェルジュ 田舎暮らしのススメ
http://ameblo.jp/toyamakurashi/entry-11138202989.html
案内してくださった社長さんの写真があります。
詳しい工程もこちらで紹介されています